人類学 自然科学

「人類の起源」(篠田謙一:著)

○全体感想

古代ゲノム解析の進歩により、700万年の人類進化の大まかな姿が示されている。

その時間のあまりの長さに、感覚がマヒしてしまうのだが、

ホモ・サピエンス登場から30万年。

6万年前にアフリカから世界展開し、文明の始まりからわずか数千年。

特に近代以降の変化、産業革命、テクノロジーの進歩の加速度が凄まじいとつくづく実感する。

○興味深かった点

1.古代ゲノム解析の進歩

遺伝子情報の解析が、技術革新により急速に進歩しているとのことである。

人類が二足歩行を始めたのが700万年万。

以後、複数の人類が存在しており、混ざり合いながら複雑に進化をし、今に至っている。

まだまだ分からないことも多く、また今後訂正されることもあるとしながらも、

これからの新たなデータ解析に期待が持てるのである。

2.ホモ・サピエンスの進化

アフリカから世界展開したホモ・サピエンス。

人類の起源からの年数を考えると、なぜ6万年前から急展開したのか。

現在の言語数は、アフリカが全世界の1/3を占めている、ということも興味深い。

3.脳の大きさ

ホモ・サピエンスが世界に広がって、文明が起こり、現在に至るまでの変化のスピードは驚くべきことだが、脳の容積は変化していないという不思議。

しかし、ホモ・サピエンスも、間違いなく今後も変化していくのである。

○結び

過去を辿り、知ることで、未来に思いを馳せることにもなった。

99.9%同一の遺伝子である、ホモ・サピエンス。

これをどう認識するか、そして我々は、人間というものをどう考えるべきなのか。

例えば民族同士の対立よりも、地球的課題に、協力して取り組んでいく世界になることをことを望まずにはいられない。

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