【全体的感想・意見】
何らかの理由で、学校に行くことが、重苦しく、つらい日々を送ってる子供達に読んでほしい本だ。
また大人にも、同様におすすめ。
大人が読んでも、悩める少年の心の成長物語として面白く、そして書くことのコツを学ぶことができる実用書としてとても参考になった。
【あらすじ】
物語の舞台は、海の中の中学校。登場するのは海の中のいきものたち。
主人公は、その中学校に通うタコ。名前は「タコジロー」だ。
タコジローは、緊張しいで、人前で話すときなど、顔が真っ赤になってしまう。勉強も身に入らないし、運動も、緊張のせいもあってうまくいかない。
中学に入ってからは、ずっといじめられ、辛い日々を送っている。
そんなある日、体育祭を前にしたホームルームで、クラスメートの画策により、選手宣誓をやらされることになってしまう。
選手宣誓などやりたくないタコジローを笑いものにするために。
その翌日、苦しい思いのタコジローは学校の門をくぐることができず、登校できなかったのだが、ヤドカリのおじさんとの出会いがあり、悩みを打ち明けることとなる。
ヤドカリのおじさんからは、「書くこと」で自分との向き合い方を教わっていく。
タコジローは学校でうまくやっていけるのか、体育祭の選手宣誓はどうなるのか。
ちょっとハラハラしながら展開を楽しめるのだ。
【主題等】
書くことの大切さ、それは「考えること」であるということ。
続けていくことで、自分だけの答えにたどり着くということだ。
著者は、アドラー心理学を書いた人。
プロの編集者として得た技や考え方を発信する、次世代の若者への応援メッセージ。
著者の書くことについての解説は、とにかくわかりやすいのである。
【むすび】
タコジローはつらい学校生活を「永遠」と言っている。しかし、「開けない夜はない」のだ。
人生80年とすると、中学の3年は人生の4%に満たない。
昔悩んだ大人の方々も、どきどきしながら楽しめる本である。
そして自分でも書いてみようかな、と思わせられる。